生理不順

何らかのホルモン異常があると生理不順になります。採血で各種ホルモンをはかり、原因を調べます。すぐにでも赤ちゃんが欲しいという方に対しては、排卵誘発剤を使います。未婚の方には、妊娠を望んだ時に困らないように、生活改善や薬での治療を行います。

生理痛（月経痛）

１０代では子宮に明らかな異常がないのに月経痛が起きることがあります。
機能性月経困難症とよびます。年齢とともに、あるいは出産すると軽快することが多いです。鎮痛剤やホルモン剤での治療になります。
これとは逆に年齢が進むにつれてひどくなる月経痛があります。
子宮内膜症や子宮筋腫が原因であることが多いです。薬で改善できないときは手術をお勧めする場合があります。

生理の量が多い

子宮筋腫や子宮腺筋症など子宮の形が変わる病気であることが多いです。
子宮筋腫は子宮に筋腫という瘤ができる病気です。子宮腺筋症では子宮の筋肉自体が厚くなり、子宮全体が大きくなります。
治療；手術（開腹あるいは腹腔鏡下子宮全摘）をお勧めすることが多いです。

帯下がおおい・かゆい

カンジダやトリコモナスといった微生物による膣炎や、膣内の雑菌が増えて炎症をおこす細菌性膣症が代表的な病気です。薬で治療します。
妊娠中や糖尿病の方では外陰の皮膚にカンジダというカビがついてかゆくなることがあります。また、下着や洗剤があわずかぶれること（接触皮膚炎）のこともあります。薬で治療します。
まれに、子宮頸がんや卵管がんで水っぽいおりものがたくさん出ることがあります。
外陰部の皮膚がんを外陰がんといいますが、その前がん状態でもかゆみが出ることがあります。疑いがある場合は皮膚を生検して調べます。

不整性器出血や茶色のおりものがある

a)ホルモンバランスの乱れから不整性器出血を起こすことがあります。ホルモン剤で治療します。
b)子宮の内腔に数ミリから２㎝程度のキノコ型のおでき(子宮内膜ポリープ)ができることがあります。当院ではがんでないことを確認するために子宮内に内視鏡（子宮鏡）を入れて摘出することがあります。
c)子宮頸がんの初期では出血することまれです。進行したがんでは鮮血がでます。当院では初期のがんには手術を行います。進行がんは専門病院に紹介させていただきます。
一方、子宮体癌は早期から出血があるのが特徴です。当院では早期がんに対して手術を行います。進行がんは専門病院に紹介させていただきます。当院のMRI（核磁気共鳴装置）は婦人科がんの診断にきわめて有用です。

おなかが出てきた　おなかがはる

子宮筋腫や卵巣腫瘍は成人の頭ほどの大きさになることもまれではありません。また、卵巣がんは腹水を作りやすいので、腹水がおなかにたまっておなかが膨れてくることがあります。急におなかが膨らんできたときは、太っただけと思わず婦人科を受診してみてください。

下腹部がいたい

子宮内膜症の方では月経ではないときもおなかが痛いことが在ります。
クラミジアは性行為でうつる性行為感染症の一つですが、近年広がっています。
まれに腹痛をおこすことがあります。
突然おなかが痛くなるようなときは、子宮外妊娠、卵巣腫瘍の茎捻転、卵巣からの腹腔内出血など緊急手術（腹腔鏡下手術）を要する病気のことがあります。

赤ちゃんができない

妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年間妊娠しない場合に不妊症と診断されます。女性の年齢が進むと治療が難しくなるので、早期の治療をお勧めしています。当院では不妊原因の検査、排卵誘発、人工授精（子宮内に精子をいれる）を行います。体外受精が必要な場合は専門施設に紹介します。

ほてり、のぼせ　めまい　気分が沈む

更年期にはほてり、のぼせ　めまい　気分が沈む　などの症状が出ることがあります。生活に支障が出るほど症状が強いときには更年期障害と診断されます。当科ではホルモン補充療法（女性ホルモンを内服）や漢方薬での治療を行います。

おしっこが漏れる、回数が多い、出にくい

高齢の婦人ではこのような排尿にかかわる不快な症状が出てくることがあります（女性下部尿路症状）。泌尿器科と協力して診断治療をいたします。主に薬での治療になります。

膣から何かとびだしてくる

子宮が次第におりてきて膣から顔を出すことがあります。以前は子宮脱といっていましたが、現在は骨盤臓器脱といっています。
当科ではメッシュ（医療用の布）で子宮を釣り上げる腹腔鏡手術、あるいは膣側から子宮を摘出する膣式手術を行います。

確実に避妊したい

当院では低用量エストロゲン・プロゲステロン配合薬（ＯＣ）か、ミレーナ（ホルモンが仕込まれた子宮内避妊用具）をお勧めしています。