病院紹介、活動・取組み

管理者・院長挨拶


    病院事業管理者兼院長
      藤本 圭作

 新型コロナ感染者は減少傾向にありますが、未だ、発熱外来受診者は多い現状が続いています。我々はウイズコロナの方向に舵をとって病院運営をおこなっていきます。当院は、平成30年度を初年度とする経営健全化計画により、令和元年度から3年連続で黒字を確保できる見込みとなりました。この間、新型コロナウイルスへの緊急的な対応ということもありましたが、計画に位置付けた各施策により、本業である医業収益の改善や、内科、総合診療科をはじめ、専門医など医師の増員が図られたこと、そして、職員の意識改革がみられたことは健全経営に向けた大きな成果であると認識しております。
 令和4年3月29日に総務省より「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」が通知されました。ガイドラインでは、持続可能な地域医療提供体制を確保するためには、限られた医療資源を地域全体で最大限効率的に活用するとともに、新興感染症の感染拡大時の対応という視点も持って、病院経営を強化していくことが重要とされています。大町病院といたしましては、これまでの経営健全化計画を継続しながら、この経営強化プランを策定し、当院の将来ビジョンなども考慮しながら、真に必要な地域医療の実現に向けて、引き続き健全な病院運営に努めてまいります。
 病院の理念は変わらず、地域に密着した温かく誠実な医療を実践することです。そして令和4年度の基本方針は、①市民の健康増進、疾病予防に努める。②地域包括ケアシステムの中心を担う病院として、医療・介護・福祉の円滑な連携を推進する。③市民の皆さんが安心して暮らしていける医療機能の整備。連携を図る。④公共性を確保し、合理的で健全な病院経営をおこなうことです。
 当院の内科は、基本的にはどんな症状および病気にも対応できる総合診療が特徴ですが、医師の増員もあり、さらに各人専門医の資格を有していることから、ホームページおよび対外的にも専門性を標榜することにしました。また、令和4年4月から分娩を再開し、昨年11月より整形外科医が1名増えて2名体制となり、4月から感染症専門医、6月から循環器専門医が常勤医として着任されています。近年、医療が進歩、細分化されていく中で医療の役割分担が叫ばれ、地域においては人口減少と医師不足から病院間の役割分担が必須と言われています。当院は近隣の病院、県立こども病院および信州大学医学部附属病院との連携も強化しておりますが、国が進めている地域包括ケアシステムに向けて地域で完結できる医療体制の構築も重要と考えています。そのためには、当院の医療体制を整備し、対応できる範囲を広げ、さらに専門的で高度医療が必要な場合には速やかに専門病院と連携できる体制を整えることが重要と考えています。
 当院の誇れることの1つとして、信州大学は勿論のこと全国から医学生、研修医が見学や実習に来ます。令和3年度には9名の医学生・研修医が見学に、36名の医学生と初期研修医が実習に来ていますし、佐久大学から2名の診療看護師の実習生が、3名の看護学生が訪れています。つまり、当院は医療の教育・研修のメッカです。若い医師やメディカルスタッフがこの大町、大北地域の医療を支えてくれることを願っています。

令和4年6月1日